WAGYU CULTURE

和牛ステーキの真髄、調理法と名店

和牛ステーキの楽しみ方

和牛ステーキは、和牛の真髄を最もシンプルに楽しめる調理法です。塩・胡椒だけの味付けで、和牛本来の旨味、霜降りの甘み、肉質の繊細さが直接出ます。焼肉と違って、一枚の厚みと火入れがそのまま結果になるのがステーキの難しさであり、店の力量が最も分かれるところです。

調理法による違い——ここが選ぶ軸になります

ステーキは調理法によって、まったく異なる表情を見せます。「どの店が上か」より「どの焼き方が食べたいか」で選ぶ方が、失敗しません。

炉釜焼き——麤皮(神戸・三宮/新橋)

和牛ステーキの絶対的象徴が 麤皮(神戸・三宮)です。昭和9年創業、炉釜焼きの元祖として、神戸ステーキ文化を世界水準に押し上げた名店です。三田牛系の自社牧場で育てた神戸ビーフを、90年継承される炉釜焼きで供します。

東京で炉釜焼きを体感するなら 麤皮 新橋店です。同じ自社牧場の神戸ビーフを、専用に設計された炉釜でじっくり焼き上げます。本店に行かずに炉釜の境地に触れられるのがこの店の価値です。

鉄板焼き——ステーキとみい(浅草)

東京で和牛ステーキを語るうえで、まず外せないのが ステーキとみい(浅草)です。鉄板焼き歴30年以上の店主・富澤氏が、選び抜いた熟成肉を、ニンニクチップとともに約1時間かけて蒸し焼きにする独自の技法で、ヒレ肉の繊細な旨味と柔らかさを引き出します。

この店が食通から評価されているのは、技術だけではありません。「高級店の3〜5分の1の価格でそれ以上のステーキ」と評される価格との釣り合いです。希少部位を含めた多彩な和牛をステーキで楽しめます。

鉄板焼き——空間ごと楽しむ「うかい亭」

鉄板焼きを雰囲気込みで楽しむなら うかい亭です。重厚な建築、行き届いた接客、目の前で繰り広げられる鉄板焼きのライブ感——料理だけでなく空間そのものが体験になる一軒です。記念日や接待など、外せないシーンで頼れます。

京都・名古屋——地方のステーキ文化

くいしんぼー山中(京都)は鉄板ステーキの実力派で、東京の食通がわざわざ通う店です。

キッチンりぼん(名古屋)超厚切りのヒレステーキが看板です。気取らない佇まいでステーキを出す、名古屋の「町ステーキ文化」の象徴といえる存在です。高級店だけがステーキの到達点ではないことを示しています。

選び方——3つの軸で考える

和牛ステーキを選ぶときは、次の3軸で考えるのが基本です。

この3つのうちいちばん結果を動かすのは調理法です。同じ銘柄・同じ部位でも、炉釜と鉄板では別の料理になります。部位ごとの違いは 和牛の部位ごとの違いと楽しみ方、銘柄の違いは 日本の和牛ブランド一覧 に整理しています。

等級はステーキ選びの答えにならない

ひとつ補足します。ステーキほど「A5であること」が答えにならない料理はありません。一枚を厚く焼いて食べるため、脂の量が多いほど途中で重くなることが起こります。赤身寄りの枝肉——格付では低く読まれるもの——の方が、ステーキとして満足度が高い場合があります。

格付が何を測り、何を測っていないのかは A5とは何か|格付が測っているもの、測っていないもの に整理しています。

予約について

麤皮、ステーキとみいなどの最高峰の店は、1〜2か月先の予約が必要です。一休・OMAKASE・食べログなどの予約サイトを併用してください。うかい亭は比較的取りやすく、キッチンりぼんは町の店らしい運用です。難易度が店ごとに大きく違うので、目的から逆算するのが早道です。

文責 鳥山貴之(JAPAN’S BEST WAGYU 主宰・選定委員長/和牛ジャーナル)
編集 金子祐生(共同運営・編集長)
本媒体は、掲載する店舗・生産者・企業から金銭を一切受け取っておりません。選考は店舗への事前通告を行わず、飲食にかかる費用は選考委員が負担しています。また、牛肉の販売は行っておりません。
選定基準 選考委員 このアワードについて
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